子供の頃以来、お通夜もお葬式もと両方とも出たことはなかった。
大人になってから初めての体験。
お通夜の式のあとに
親族の方々と話す機会があったし
故人を知る同期達とも偲んだ。
しかし。お葬式は私一人の出席で参列者に知人はいない。
親族の方々は出棺後は火葬場へ行くし
参列者はほとんどが地元の人で
足早に(車で)帰って行く。
あっという間に一人取り残されてしまった。
祭壇と慰霊写真が残る会場。
何もない空虚な広場にいっぺんに変わってしまった。
やりきれない気持ちがわき上がる。
彼とはリアルでは20年会ってなかった。
メールや手紙、年賀状だけ。
同期の中では彼のことをよく知る立場だったが
つまり、彼は故郷の友人知人とは関係を断っていたのだ。
たぶん、彼だけじゃ無いんだよねそういうのは。
時間と空間を隔てて過ごし突然やってきた我々は
その場には、異人だったかもしれない。
そういうことは、何もお葬式に限ったことじゃない。
結婚式でも感じたコトがある。
なんだ。この違和感は。と、
人間。イチゴイチエでその時を一生懸命生きれば別れた後は、どうでもいいんじゃないかなとも思える。
それが証拠に、今回逝去した彼はそういうタイプだったのだ。
そういう彼に我々は引き寄せられ最後の別れに来た。
最後の別れとその一つ前の別れ。